渋滞の日光を避けて栃木県民の森へ
◆2020年10月末、世の中には「コロナ慣れ」「自粛疲れ」という空気が溢れ、さらにこの頃は感染者数が減少傾向にあったことも重なり、週末になると観光地周辺の道路は大渋滞するような状況になっていた。
そんな中、この私も今年はまだ奥日光へ一度も行っていないのでそろそろ―――と思ったものの、ちょうど紅葉の時期ということもあって週末は周辺道路が大渋滞となる状況が続いているようだったので、密を避ける意味もありそれほど人が集まらなさそうな別の場所へ行ってみることにした。
その候補地は幾つかあったが、まずは以前から訪れてみたいと思っていた場所の一つであった矢板市の「栃木県民の森」へ初めて行ってみることにした。
そして10月25日の朝、自宅を出て一般道を走ること約3時間半ほどで目的地の県民の森管理事務所前駐車場に到着▼
広い駐車場にクルマは数台しか停まってなくて紅葉も見頃。この場所を選んで正解だったようだ。
時刻は10時半。日没の早いこの時期としてはもう遅い時間だが、まずは管理事務所で県民の森の案内図を入手。
事前にリサーチした感じでは広すぎてどこを歩けばいいのか迷ってしまう感じだったが、案内図を見ると四つのコースに分けて案内されているので、その中から今回は標高930mの第二展望台まで登って戻ってくる「展望コース」を歩いてみることに決定。
‥‥‥これが意外とキツかった。まだ歩き始めたばかりだというのに息が上がり、この先が思いやられる。
だが、これを登り切ると勾配は緩やかになり、歩きやすくなる。
この県民の森はバードウォッチングにもお奨めの場所ということだが、この時期はちょうど夏鳥から冬鳥に入れ替わる時期なのであまり期待はしていなかったが、予想通りトリの気配はほとんど感じられない。
▲しばらくの間、針葉樹の林が続く。初夏の頃にはサンコウチョウが居そうな感じだ。
針葉樹に囲まれたゆるい尾根を登り続け、右に折れ雑木林の中を下っていくと‥‥‥
▲木の幹を動物がかじった跡が生々しい。鹿だろうか‥‥‥。熊だったらカンベンだ(>_<)。
こんな感じの道をしばらく歩くとキャンプ場のバンガローが見えてきた。
実はここまでは案内図の「キャンプ場周回コース」で、ここからが「展望コース」に入って行くことになる。
まずは第一展望台を目指して歩き続けるが、マップを見ると等高線の間隔が狭く、勾配がきついルートを延々と登らされる。
もう完全に「山登り」という状況が続くが、息を切らしながら高度を上げていくのもそれはそれで楽しむことができた。
さらに登り続け、ようやく第一展望台に到着。
実はここまで車道が通っていてクルマで来ることができるのだけど、やはり自分の足で登り続けてこの展望の開けた場所へ出てきた時の達成感は素晴らしいものがある。
時計を見ると午後1時。約2時間の山登り中出逢った人は僅か2名。大自然の中に一人でいることが好きな私としては最高の場所だ。
▲いつもは南側から見ている男体山を反対側から眺める。
▲手前の山はまだ色づき始めたばかりだろうか。
この展望台で遅めの昼食を摂り、「展望コース」の最高地点・第二展望台を目指す。
二階建ての立派な展望台だ。さっそく最上部に登ってみると―――
▲紅葉も見頃でなかなかの眺めだ。
▲遠くには筑波山の姿も見える。
▲眼下に広がるのは矢板市の市街地だろうか。
ここまでの間に出逢ったトリはヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラの「カラ類」とヒヨドリのみ、それも葉っぱに邪魔されて撮ることはできず。
やはりこの時期はトリ撮りには適していないという結論に達し、狙う被写体を植物に変更。
植物の同定は難しいのだけど‥‥‥たぶんナナカマドだと思われる。
しばしの間眺めを楽しんだ後、第二展望台を後にする。
ここから先は下り坂が続くので体力的には楽だが、下りは下りでまた違った負担が脚にかかる。
他の登山者とは第二展望台で逢ったきり、この下り道に入ってからは誰とも会わない。
登山中の事故は下りで起こることが多いので、転倒しないよう気を引き締めながら下り続けるが、トリの姿はもちろん、珍しい植物の姿も全くと言っていいほど見られない状態が続く。
40分ほど下りて広い道へ出るが、すぐにまた脇道へ降りて薄暗い登山道を下り続ける。
▲左側の木の柵で囲った道から降りてきて、道路を横切り右に降りて行く。
そんな中、紫色をした美しい花を見つけた▼
これは‥‥‥猛毒を持つことで有名なトリカブトの仲間、おそらく「ヤマトリカブト」だろう。
▲こちらのヤマトリカブトは不思議な形の実をつけている。
さらに歩き続けると、また赤い実をつけた木が目に入ってきた▼
赤い実でも先ほどのナナカマドとは異なる。おそらく「ガマズミ」だと思うのだが、赤い実の生る植物は多く、ちょっと自信がない。
さらに薄暗い森の中を下り続けていると、ひっそりと咲く青い花を見つけた▼
暗くて上手く撮れなかったが、これは「リンドウ」でしょう。
リンドウといっても「エゾリンドウ」や「フデリンドウ」など、沢山の種類があるのだけど、これはただの「リンドウ」でいいのではないかと思う。
次に目にとまったのがこの黄色い花▼
黄色い花はもう多すぎて、これまた同定は困難を極めるのだが‥‥‥「アキノキリンソウ」だろうか(自信なし)。
そして次もまた黄色い花▼
う~~~ん‥‥‥ 「ヤクシソウ」かな!?!?
こんな感じで道端に咲く花を撮りながら歩いているうちに、スタート地点の近くまで辿り着いていた。
▲森の中で一本だけ鮮やかに色づいていたモミジ。
▲一本だけポツンと咲いていたこの花、アザミの仲間なのはわかるけど、アザミもまた種類が多くって‥‥‥ たぶん「ノハラアザミ」だと思う。
そうこうしているうちにスタート地点の管理事務所の辿り着いた。
そして最後は、駐車場前で「狂い咲き」していたツツジ▼
例によってツツジの仲間もたくさん種類があるけど‥‥‥ 細かいこと言わず「ツツジ」でいいでしょ!?!?
というわけでクルマに戻り、今回の山歩きは終了。
約6時間、高低差約400mで距離は約11kmという久々のトレッキング(と言うより今回は登山)でした。
初めて訪れた県民の森の感想としては、とにかく今回は人が少なくて良かった。
時期を選べば、いろいろなトリに出逢える可能性は高い場所だと感じるし、今回歩いたコース以外にもいろいろなルートがあるので、また何度でも来てみたいと思いました。
‥‥‥しかし、植物の同定ってホント難しいですね!?!?
撮影日:2020年10月25日
撮影場所:栃木県民の森
by twk-kosaka
| 2020-11-27 22:58
| 花・植物
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