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渋滞の土日を避けて「アプトの道」へ【前編】

2020年秋、コロナ禍の日本各地は例年より紅葉が美しく色付いているようで、10月末から11月にかけての週末は各地の紅葉ポイントに大勢の観光客が訪れて、周辺道路も大渋滞となるような状況が続いていた。
その中でも奥日光へ向かう車の渋滞は特に酷く、いろは坂を越えるのに3時間かかる時もあったと報じられていた。

そんな中、10月末に私は奥日光の渋滞を避けて栃木県民の森へ行ったことは前回の記事に書いたとおりだが、その県民の森の他にもう一カ所、以前から行ってみたいと思っている場所があった。

それが今回取り上げる群馬県安中市の「アプトの道」である。
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アプトの道について説明を始めると、もうそれだけで読み切れないほどの長~い文章になってしまうので今回は省略するが、簡単に言うと昔の信越本線が急勾配の碓氷峠越えのために「アプト式鉄道」やこの区間専用の機関車「EF63」など、様々な工夫を凝らしてその難所と闘ってきた歴史が刻まれている「廃線跡の遊歩道」―――そんな感じだろうか。

私としてはだいぶ前からこの「アプトの道」に興味があり、一度は歩いてみたいと思い続けていて、どうせ行くなら紅葉の美しい時期がいい、ということでこの時期(11月上旬)に行くことを決めたものの、やはり土日は大渋滞になっているようだったので、ここは思い切って平日に仕事を休んで行くことにした。

というわけで碓氷峠周辺も紅葉が見頃になっていると思われる2020年11月11日、朝8時に自宅を出て10時半に横川駅近くの松井田町営駐車場に到着。
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予想通り紅葉はまさに見頃を迎えている、といったところだろうか。
まずは、現在は信越本線の終着駅となっている横川駅へ。
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平日ということもあり人の姿はない。この向かい側には週末には出展されると思われる出店のテントが置かれていたが、思った以上に平日に訪れる観光客は少ないようで閑散としている。
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駅の先には廃線になる前は列車が走っていたであろう線路が残され、その先に「碓氷峠鉄道文化むら」がある。
私としてはこの鉄道文化むらにも非常に興味があるのだが、今回はアプトの道を歩くのが目的なのでここを見学するのはまたの機会にするとしよう。

鉄道文化むらの手前を右に曲がると冒頭の画像の地点、そこからアプトの道が始まる。
アプトの道を歩き始めるとすぐに、並行して敷かれた線路をEF63が走って来た。
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鉄道文化むらで動態保存されている「EF63 11」だ。
「峠のシェルパ」とも呼ばれ、この区間専用に造られたスペシャルな電気機関車・EF63の走っている姿を間近で見られるとは‥‥‥思ってもいなかったサプライズに興奮する。
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興奮しながらシャッターを切ったので、手前の花にピントが合ってしまっている。
興奮冷めやらぬ状態で歩いていると、今度は二両編成で静かに置かれているEF63の姿が。
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やはり鉄道文化むらで動態保存されている「EF63 24」「EF63 12」だ。
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車輪と車輪の間にEF63特有の装備「電磁吸着ブレーキ」が見える。
急勾配の途中で停止し続ける場合に、この長い電磁石をレールに吸着させて停止力を保持するらしい。
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軽井沢側の先頭スカート部分には、連結する様々な列車に適合する「ジャンパ連結器」がズラッと並び、EF63独特の「凄み」のある表情となっている。

これ以外にも「横軽」の急勾配に対応するための様々な「特別仕様」が盛り込まれたEF63――― 久々に私の中の「鉄萌え」ごころを呼び覚ましてくれた。

‥‥‥おっと、今回は「鉄ネタ封印」と思っていたのに、しょっぱなから大脱線。アプトの道の散策に戻ろう。

下を見ると、まさに「アプトの道」にふさわしいものを発見!!
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さりげなく排水溝のグレーチング代わりに埋められているのは、これこそがアプト式鉄道の要「ラックレール」ではありませんか。

う~ん、歴史を感じる‥‥‥。特に上から二つ目はかなり使い込んでいるようで、力が掛かる側の歯が潰れて変形している。

というわけで、歩き始めてすぐにこのアプトの道に刻まれた深い歴史を感じ取ることができた。
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上信越道の橋が上に見えるあたりでは勾配も少しきつくなってくるが、きついとは言っても鉄道で登れる勾配を歩いて登るのは楽勝だ。
上信越道の高架橋をくぐると、右の斜面の方から「キキキィーッ」という動物の叫びが聞こえてきた。
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サルだ!!私の方を見てサムズアップしている!?
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もう一匹いた!!
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ここでは二匹のサルが出迎えてくれた。アプトの道が私たちを歓迎してくれたのかな!?!?

さらに歩くと、右手にレンガ造りの立派な建物が見えてきた
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国指定重要文化財・丸山変電所跡だ。
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この丸山変電所跡の歴史と背景について語ると、これまた物凄く長い読み物になってしまうので簡単に説明すると、1893年に開通した信越線はこの先山岳地帯で多くのトンネルの中を走らなければならず、当時主流の蒸気機関車ではその吐き出す煙で乗客乗員が堪ったものではないということで、この区間は日本の幹線鉄道の中でいち早く1912年に電化され、そのため同年ここに建築されたのがこの丸山変電所だったという訳。
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100年以上経っているのに何でこんなに綺麗なんだ!?!?‥‥‥と思ったら、現在のこの建物は2002年頃に修復されたもので、それ以前はボロボロの廃墟だったらしい。

アプトの道を歩いて思ったのは、とにかく全ての遺構に歴史的背景とその必然性があって、これらに関わった昔の人々の知恵と汗の結晶なのだ、と実感することができる素晴らしい歴史遺産だということ。そのアプトの道を私たちはまだ歩き始めたばかり。先を急ごう。
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途中で紅葉がとても美しいモミジがあったので、思わず足を止めて撮影タイム。
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まさに紅葉は今が見頃という感じなのに、平日でも人は多いだろうという予想は見事に外れ、ここまでに出逢ったのはヒトよりもサルの方が多いような状況(笑)。まぁ人ごみは嫌いだし密は避けたいのでいいんだけどね。

ここからさらに歩くこと約20分、本日の昼食ポイント「碓氷峠の森公園交流館・峠の湯」に到着。
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その建物の写真を撮るのを忘れてしまったが、ここは国道18号から少し入った所にあり、クルマで来ることができる。
やはり紅葉が鮮やかな駐車場にはたくさんのクルマが停まっていて、人の数も多い。

そして本日の昼食は、アプトの道にふさわしいこちらのメニュー
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もう全国的に有名な、おぎのやの「峠の釜めし」。

この「峠の釜めし」は朝立ち寄ってきた横川駅が発祥の地。昔、軽井沢方面に向かう列車はこの先の急勾配に備えてアプト式の機関車またはEF63等との連結作業のため横川駅で長い時間停車することになり、その間にこの「峠の釜めし」を買って車内で食す、というのがお約束となっていたそうである。

私も今までに何度かこのおぎのやの釜めしを食べたことはあるが、素朴でありながらも味が良く、このお馴染みの益子焼の専用容器と相まって、一度食べたら忘れられない逸品の「名物駅弁」だと思う。

その定番メニューを発祥の地で、かつて列車が走っていた廃線跡を歩いてきて、その歴史を噛みしめながら味わうというのは、また格別なものがあった。

当初の予定では、その発祥の地である横川駅前の「おぎのや本店」で出発前に買って、アプトの道の途中で食べようかと考えていたのだけど、本店の人と話をしたら「峠の湯」で売ってるということだったので、峠の湯の中の食堂で温かい釜めしをいただくことができたという次第。

美味しいお昼ご飯を摂って満足した私たちは、峠の湯を出て今回の第一の目的地である「めがね橋」を目指して再びアプトの道を歩き続けた。
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峠の湯駐車場から眺めた妙義山系の山々。奇岩が立ち並び日本とは思えない風景だ。
この画像をチェックしていて、左下にEF63が写っていることに気が付いた。
調べてみるとどうやらこれは個人で保存・展示している「EF63 22」のようだが、よく見ると塗装は剥げ落ち、保存状態はあまり良くないように見える。
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妙義山の岩場をアップで。こんなところも登る人はいるんでしょうね。
再びアプトの道に戻ると、すぐにトンネルが見えてきた
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この先トンネルを五つ越えると、アプトの道最大の見どころ「めがね橋」に到着するはずだが‥‥‥

最初は「こんなゆるい坂、屁でもねーよ」などと軽く見ていたが、ここまで約3kmだらだらと登り続けてきたら、けっこうジワジワと脚に疲労感を感じ始めている私。この先ちょっと心配になってきた。

【長くなったので後編へ続く↓】


[SONY Cyber-shot DSC-RX10M4]

ソニーストア

撮影日:2020年11月11日


by twk-kosaka | 2020-12-02 23:02 | 名所・旧跡


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