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渋滞の土日を避けて「アプトの道」へ【後編】

【前編】はこちら

「峠の湯」での昼食を終えた私たちは再びアプトの道に戻り、軽井沢方面に向かって「最大66.7‰(パーミル)」という勾配の登り坂を歩き続けた。
その66.7‰という勾配は、登山鉄道以外の一般幹線鉄道では最も急な勾配であるらしいが、人が歩いて登る分にはなだらかな坂という感じ。
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だが、そのなだらかな坂も、延々と約3kmも歩き続けるとジワジワと足に疲れが溜まってくる。
そして、アプトの道はやがてトンネルが連続する区間へと入って行く。





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トンネルの中は一応照明が付いていて、薄暗くはあるが歩くのには問題ない。
夏だったらひんやり涼しく感じるのだろうが、11月の気候だとトンネル内と外の気温差は感じなかった。
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連続するトンネルを次々と突き進んで行く。上の画像は4個目のトンネルを抜けて振り返って撮影したもの。これらも今から100年以上前に造られた歴史的価値の大きい建造物だ。
そして5個目のトンネルの出口の先にあるのが―――
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今回の一番の目的地「めがね橋」である。
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正式な名称は「碓氷第三橋梁」。明治25年12月に竣工したレンガ造りの四連アーチ橋である。明治25年と言われてもピンとこないが、西暦で言うと1892年――― 今から128年も前に建設されたものだというから驚きだ。
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めがね橋のすぐ下を通っているのは旧国道18号。この反対側(画像の左側)に階段があって、橋の上から下へ降りることができる。
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下から眺めるめがね橋は、雄大さと廃墟感が入り混じったような、何とも言えない雰囲気を漂わせている。
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今から128年前ということは、建設機械なども今とは比べ物にならないほど貧弱で非効率的なものだったに違いない。そんな時代にこれだけの建造物を造り上げた当時の人々のパワーには心底敬服するし、128年という長い年月を経てもこの堂々とした外観を保ち続けていることから、その技術力の高さも伝わってくる。
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まさにこれは貴重な歴史遺産‥‥‥いや、遺構と言った方が良いのか??? 
いずれにしても、後世までこの状態で保存していただきたいものだ。
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というわけで、今回の旅の最大の目的であっためがね橋をじっくり見ることができ、当時これの建造に関わった人たちのパワーを少しだけ分けてもらえたような気分になる。
国道18号をクルマで走って簡単にここへ来ることができても、やはりアプトの道を自分の足で歩いてここまで来た方が達成感があり、より一層このめがね橋の雄姿を心に刻むことができるのではないだろうか。
満足感と達成感に満たされた私たちは、先ほど降りてきた階段を登り、もう一度このめがね橋の上からの眺めを堪能した。
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この付近はもう紅葉の見ごろを過ぎてしまっているのかもしれない。
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めがね橋の山側上方にも橋が架かっているのが見える。1963年に建設され1997年に廃線となった「信越本線新線」の橋梁だ。
実はこちらの側の廃線跡(アプトの道)はあちらの新線が開通したことによって廃線となったアプト式機関車専用の路線で、先ほど見たEF63は上の新線開通に伴って運用開始された機関車なので、今歩いてきた廃線跡をEF63は走っていなかったのである(峠の湯あたりでアプトの道と新線は分かれているので、横川駅からそこまではEF63も走っていたことになるが)。

そうだったのか‥‥‥。このめがね橋を重連で走るEF63の姿はさぞかし絵になっただろうな――― などと思ったりもしたが、そういう事実はなかったわけだ。


さて、アプトの道はこの先も何個ものトンネルをくぐり抜けて、約1.2km先の「熊の平」で折り返しとなるのだが、時計を見ると時刻はもうすぐ午後2時。今の時期は一年で一番日没が早く、4時頃にはもう薄暗くなり始める。

「今から熊の平まで行って折り返してくるとなると、クルマに戻る前に暗くなってしまうかもしれない‥‥‥ よし、今日のところはこれくらいで勘弁しといてやろう(???)」

そんなことを言いながら、熊の平を諦めここで引き返すことにした。
実を言うとここに来る前に横にチラッと見えた「碓氷湖」の紅葉がすごく綺麗だったので、帰りに寄る予定をしていたというのもあるのだけど、足が疲れたのでもう登りたくないというのが本音だったりもする(笑)。

ここからは同じアプトの道を下って行くわけだか、同じ道でも進む方向が逆だと風景も変わり新鮮だ。
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途中、国道18号がすぐ横を通っている場所を過ぎ、15分ほどで碓氷湖の畔に着いた。
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真っ赤に色付いたモミジが湖面に反射する陽の光を受けて美しく輝いていた。
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対岸に見えるのは「夢のせ橋」。遊歩道の橋だが、めがね橋を意識したようなデザインだ。
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手前の植え込みの赤い葉と対岸のモミジの赤が美しい。これで湖面が水鏡になってくれれば最高なのだが―――。

昨年10月に幻の小田代湖を観に行った時は、しばらく待っていたら湖面が水鏡になってくれたので今回もそれを期待したが、いつまで経っても湖面が凪いでくれないので、諦めてアプトの道に戻る坂を上り始めたところで振り返ってみると、なかなかいい感じに凪いでくれていた
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もう少し日没の時間に近くなってしまうと、この美しい光景は見られなかっただろう。やはり熊の平を諦めて正解だったようだ。

紅葉に染まる碓氷湖を後にした私たちは、アプトの道を横川駅に向けて歩き続ける。
帰りはずっと下り坂だから楽チン‥‥‥最初はそう思ったが、段々と太ももの前側に張りを感じるようになってくる。

緩い下り坂が続くと徐々に歩く速度が速くなってきて、それを抑えるため太ももの筋肉に負担がかかってしまうのだ。
登山での転倒事故は上りよりも圧倒的に下りが多いというが、こんな緩い下り坂でも結構足に負担はかかるものなのだ。

昔、ここを下っていった列車も、そのブレーキシステムに相当の負担がかかったであろうことは容易に想像できた。
転がり抵抗が極小の鉄道にあっては、長い下り坂で増速するのを抑え続けることは技術的に難しいので、あのEF63に強力な発電ブレーキや様々な下り坂対策の特別な装備が設けられていたのは、この急勾配の連続が生んだ必然的なものだったのだ。

この私も、途中で太もものストレッチを念入りに行なったりしながら、延々と続く下り坂を歩き続けた。
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この辺りは直線が続き、レールと架線も残されていて鉄道の雰囲気が出ている。
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上信越道の高架橋越しに妙義山?を望む。往路では観ることのなかった風景だ。

そして碓氷湖から下ること約50分、ようやく鉄道文化むらが見えてきた
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こうして見ると「ジオラマ感」がハンパない。

そして、もうすぐ横川駅というところでまたしてもEF63が走ってきた
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―――というわけで、EF63に始まりEF63で終わった今回のアプトの道の旅でした。

以前から一度来てみたいと思っていたアプトの道は、思っていた以上にいろいろと勉強になる素晴らしい場所でした。
距離的にもそう遠くないのでまた何度でも訪れてみたい――― そんな気分です。


‥‥‥その前に、もうちょっと足を鍛えておかないとね(^^;)

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今回歩いた軌跡。歩いた距離は約10km、標高差は約200m‥‥‥ 大したことない行程なんだけどね。

[SONY Cyber-shot DSC-RX10M4]

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撮影日:2020年11月11日


by twk-kosaka | 2020-12-05 22:57 | 名所・旧跡


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